こんなときって110番?

警察に通報するときってどんな時?のHOW TOブログ

                   これって110番すべきことかな? 警察に相談するときって、どうすればいいの? そんな時の参考になればなと思います。

「ドーナツ買うよ」などと声をかけて、6歳女の子を自宅へ。

福岡県警 東署  2020/9/16 発生

 

罪状「未成年者誘拐容疑」

 

容疑者は一人で歩いていた6歳女児に

 

「ドーナツ買うよ」などと声をかけ

 

商業施設で菓子やジュースを買い与えて

容疑者宅に連れ込み

 

数時間後、女児の自宅まで送り届けるまでの間

 

誘拐した疑い。

 

事件発生の翌日

女児の父親が警察署に相談し発覚。

 

読売新聞オンライン WEB記事より引用。

 

 

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はい、三回目にして、初回と被ってますね。

 

今回も「誘拐」についてです。

 

ですが、マスコミ報道でも

けっこう犯行当時の防犯カメラ映像が流れており

 

またネット上だと

容疑者そんなに悪くなくない?

 

いや、自宅連れ込むとかヤバいよ

 

という、賛否両論がございますね。

 

 

 

 

 

●犯罪は犯罪

 

初回でも説明しました。

未成年者を親の許可なく連れて行くのは犯罪なんです。

 

でも、今回のケースで容疑者をかばう意見が出る理由は

容疑者の行為にありますね

 

・ドーナツやジュースを買ってあげる

 

・自分の家につれてきたが、変なことはせず

 時間にして1~2時間後には女児の家に送り届けた

 

ニュースでわかる範囲ですが

容疑者のやった行為はこれぐらいのようです。

 

行為だけを見れば

悪質性がないですね

 

ひと昔なら、近所の顔見知りのおじちゃんが

よくやってくれそうな行為です。

 

そう、重要なのはここ

 

顔見知りかどうか

 

 

 

あ、法律にはもちろん明記されてませんよ?

というか、原則で言えば顔見知りだろうと

被害申告があれば誘拐となります。

 

 

 

            例え親子でも、離婚して親権放棄した

            片親が、子供をつれて行ったら誘拐になる

            ドラマあるあるですね・・・

 

              要するに血縁関係があっても

              保護者じゃなけりゃ、誘拐です。

 

 

でも、安心できる顔見知りだったら

早い話、親は警察に相談なんてしませんよね?

 

 

昔はご近所付き合いもあって

地元にずっと住んでいるおじいさんおばあさんともなれば

そもそも親の子供のころも知っているレベルなんです。

 

 

親からすれば、信頼も信用もあるご近所さんです。

 

そりゃ子供がお菓子をもらったり、その家に遊びに行くのに不安や心配なんてしないでしょう。

 

 

 

でも、今回のケースはどうでしょう?

 

全くの他人です。

 

 

親は当然、子供も知らない相手。

 

不安になりますよね?

だから警察に相談して、被害申告をしたわけです。

 

 

 

●被害申告

 

ちょくちょく書いてますこの言葉。

 

読んで字のごとく、被害に遭ったという申し出ですね。

警察に被害届を出すのと同義です。

 

 

今回の誘拐のケースを見ると

 

誘拐の行為自体は終わって、子供が家に帰ってきてますよね。

 

誘拐されて、子供が家にまだ帰ってこなかったり

誘拐犯から身代金を要求されたり

誘拐されて変なことされたって子供が言ってきたり・・・

 

それがあれば警察呼ぼうとも思えるけど

 

ドーナツもらって家で遊んでいた・・・

 

警察に相談できるのかなぁ?

被害に遭ったって・・・言うのも変かなぁ?

 

そう感じてしまう人もいるでしょう。

 

 

でも、親として不安を感じていたり

もしかすると今後、その変な人がうちの子を狙っているかもしれない・・・

 

そう感じるのならば

被害の申告をしましょう。

 

 

今回は悪質な行為をしませんでしたが

今後もそうだとは限りません。

 

信頼も信用もある近所の人ではないんです。

 

全くの赤の他人なのです。

 

不安に感じて当然でしょう。

 

 

 

◆気休め程度のワンポイント

 

こういったケースで難しいのが

容疑者が本当に

ただの善意のある普通の人

 

という場合があります・・・。

(ごく稀ですが・・・)

 

じゃあ、そんな人を逮捕しちゃうんですか!?

 

と思った方。

そうですね、必要であれば逮捕します。

 

ただ、ちょっとややこしいのですが

逮捕=有罪とか、刑務所行きとか

そういうわけじゃないんです。

 

逮捕ってなに?を

超ざっくりに説明しますと

 

・犯人が逃げないようにする

・犯人が証拠隠滅(しょうこいんめつ)できないようにする

 

これが主な理由なんです。

なので、家も身分もわかってて、証拠隠滅も逃走もしなさそうな人は逮捕しません。

 

不拘束、なんて聞いたことありますかね?

ようは逮捕せず、自ら裁判所行ってねというやつです。

(これもざっくり説明(笑))

 

 

警察では、あくまでも法に従って

罪を犯した人を取り締まります。

 

なので、ただの善意のある普通の人

まずは検察庁に膨大な書類を送って

裁判の準備を始めます。

 

ただ、事情聴取やら何やらで

「あ、この人、本当に善意でやったんだな」

というのが分かれば、被害者にも当然伝えます。

 

そこから、被害者が

「本当に悪い人じゃないなら、被害を取り下げます」

と、訴えるのをやめることができます。

 

テレビで言う「不起訴(ふきそ)」というやつです。

 

 

つまり裁判は始まりません。

 

なので前科も付きません。

 

そして善意ある普通の人も

「軽率な行為をしてしまった<汗」

と反省すると思います。

(逮捕されずとも、書類送検されるのは気持ちのいいものではないですから)

 

要するに

・誘拐犯が何者か分からない

 不安だから被害申告する!

 

・その後、どうやら悪い人じゃなさそうだ。

 すごく反省しているようだし

 被害は取り下げよう。

 

このようになるケースもあります。

 

警察に相談=相手は必ず刑務所行き

というわけではないです。

 

 

 

なので、

おそらく冒頭の事件の容疑者は

そこまで重い判決は下らないだろうと思います。

 

 

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さて、おいしいドーナツでも食べましょうか。

 

それでは、また次回。