万引き・・・のつもりが強盗!?
罪状「強盗致傷容疑」
文具3点(4224円相当)
を万引きした男(35)が
駐車場で呼び止めた保安員の女性(61)
に対して、
車で逃走しようとした際に
運転席のドアを無理やり閉め
保安員の女性の手の甲や腕に軽傷を負わせた疑い。
京都新聞 WEB記事より引用
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流行に乗れておらず
ふんわりとした内容しか知りませんでしたが
なるほど面白いですねぇ。
今後アニメでも見始めて、漫画も買おうかな。
さて、今回の事件は
「万引き」だったけど
「強盗」にランクアップした罪ですね。
●万引きと強盗、それぞれの罪の重さ
万引きは犯罪行為の呼び方ですね。
なので刑法で言うと「窃盗罪」
にあたり、10年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科されます。
まぁ、法律上だとそうなりますが
現場でのよくあるケースを言うなら
店に謝罪し、商品を買い取れば
警察からの説教で終わることが多いです。
むろん、初犯であったり
万引きした商品の値段が低いなど
悪質性が低い場合と
お店側が大事にしたくない
今回だけは許してあげてもいいという
ご厚意があっての、現場判断です。
まぁ、そんな現場の事情があり
一回だけなら、すぐ逮捕とまでいかないのが
万引きです。
<以下、現役時代の現場話>
※まぁ、あくまでもそういう場合があるというだけで、世の中にはその一回すら許さないという信念を持ったお巡りさんの場合は、普通に逮捕か書類送検されます。
私の現役時代も、万引きした人物や、それを迎えに来た家族の反省の色、そしてお店の人の意向を重んじて、警察としての処置はしない判断をする人もいれば、問答無用で犯罪行為であるとお店の人にバシッと伝えて、万引き犯を署につれて行く人もいます。
警察官によって対応が変わるのはいかがなものか?という意見は重々分かりますが、一概にどちらが正しいとも言えないお話ですね。
お話が逸れて申し訳ありません。
強盗は刑法に強盗罪があります。
罰則は5年以上の有期懲役。
重いですね、有期懲役は20年以下の懲役刑なので
最長20年、複数の罪で併合罪ともなれば30年行く場合もありますね。
でも今回はさらに悪質な
「強盗致傷」です。
無期懲役か6年以上の懲役が科されます。
ちなみに、今回のケースでよく聞くと思われのですが
「事後強盗罪」
というものもあり、こちらは
強盗罪と同じく5年以上の有期懲役です。
まぁ、罰則から見ても
罪の重さとしては
万引きと強盗では格段に違いますね。
◆何で罪の重さが変わってくるの?
さぁ、万引きと強盗の違いとは
ざっくり言えば脅迫もしくは暴行したかどうかですね。
万引きは、店員に気付かれないように
こっそりと盗む行為。
強盗は、暴力を持って無理やり奪う行為です。
おや?今回の盗み方は万引きでは?
商品を力づくでは奪っていないぞ?
そうですね。
商品を力づくでは奪っていません。
しかし、その後の行為が問題なんです。
万引きしたと気づかれた後
保安員の女性の制止を振り切っていますね。
ただ走って逃げたのではなく
ドアを無理やり閉めるなどの
相手をケガさせる行為があります。
万引きした後で逃げる際に
保安員相手に脅迫したり、攻撃して逃げようとする
これを「事後強盗罪」と呼びます。
後から強盗になっちゃうパターンですね。
おや?それなら今回は事後強盗じゃあ?
いいえ、保安員はケガをしています。
仮に逃げようとして突飛ばしたり、押したりする
これらは暴行ですが
相手はケガをしていません。
なので事後強盗です。
ですが、暴行を用いて相手をケガさせた場合
それは「傷害」
なので、強盗致傷となります。
◇通報の基準
今回の被害者は
私と同じ職種の保安員の方ですね。
万引きは店舗や会社によって
判断が任されているので
そのルールに従って通報するしないを決めてください。
ただ、万引き犯への声掛けは
慣れてはいても、やはり要注意です。
急に暴れだしたり、逃げ出したりすることが
本当に、極たまにあるので
無理に押さえようとしてケガをしないよう
気を付けてください。
また、お客さんは万引きを見かけたら
お店の人に通報してください。
ややこしいのですが
お店の中から警察に通報されても
お店の情報などがすぐには分からないと思うので
見た情報をそのままお店の人に伝えてください。
お店では防犯手順がそれぞれ決まっていますので
それに沿って対応が進みます。